「宇宙関連株に投資してみたい」
そんな投資初心者から注目を集めている企業の一つが、アクセルスペースホールディングス(402A)です。
アクセルスペースホールディングスは、小型衛星の開発・製造・運用に加えて、人工衛星から取得した地球観測データを提供する会社です。
2025年8月に東京証券取引所グロース市場へ上場した比較的新しい企業で、2026年には防衛・宇宙関連事業の拡大や、欧州AIRBUSグループとの販売代理店契約なども発表されています。
一方で、現在はまだ大幅な赤字を抱えており、「成長期待が大きい反面、リスクも大きい」という特徴があります。
この記事では、アクセルスペースホールディングスについて、会社概要、事業内容、株価、業績、配当金、株主優待、今後の成長ポイントまで、初心者にも分かりやすく解説します。
アクセルスペースホールディングスとは?
アクセルスペースホールディングスは、東京都中央区に本社を置く宇宙関連企業です。
会社の前身となる株式会社アクセルスペースは2008年に設立され、その後2020年に持株会社としてアクセルスペースホールディングスが設立されました。
そして2025年8月13日に東京証券取引所グロース市場へ上場。
証券コードは「402A」です。
主な事業は、
- 小型衛星の開発・製造
- 衛星打ち上げの手配
- 衛星の運用支援
- 地球観測衛星による画像データの提供
- 衛星画像を活用したソリューション
などです。
会社全体では「AxelLiner」と「AxelGlobe」という2つの事業を展開しています。(Axelspace Holdings)
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | アクセルスペースホールディングス |
| 証券コード | 402A |
| 上場市場 | 東証グロース |
| 上場日 | 2025年8月13日 |
| 本社 | 東京都中央区 |
| 設立 | 2020年3月 |
| 代表者 | 中村友哉氏 |
| 決算期 | 5月 |
| 売買単位 | 100株 |
| 主な事業 | 小型衛星・地球観測データ |
| 発行済株式数 | 約6,668万株 |
会社発表によると、2026年5月末時点の連結従業員数は218人、2026年5月期の連結売上高は25億800万円でした。(Axelspace Holdings)
アクセルスペースの事業を初心者向けに解説
アクセルスペースを理解するうえで重要なのが、「AxelLiner」と「AxelGlobe」です。
① AxelLiner事業
AxelLinerは、簡単に言えば「人工衛星を作って、打ち上げて、運用するところまで支援するサービス」です。
人工衛星を作ろうと思っても、実際には非常に多くの工程があります。
衛星の設計、製造、試験、打ち上げ、軌道上での運用など、専門的な技術が必要です。
アクセルスペースは、こうした衛星開発をワンストップで支援します。
つまり、顧客企業や政府機関などが衛星を利用したい場合に、衛星プロジェクトをまとめて支援できるのが強みです。
② AxelGlobe事業
もう一つがAxelGlobeです。
こちらは自社で地球観測衛星を運用し、宇宙から撮影した地球の画像データを提供する事業です。
例えば、
- 農業
- 防災
- インフラ管理
- 地図
- 森林管理
- 海洋監視
- 安全保障
など、さまざまな分野で衛星画像を活用できます。
特に注目したいのが、衛星を1機だけ運用するのではなく、複数の衛星を組み合わせる「衛星コンステレーション」です。
複数の衛星を運用することで、地球上の広い範囲を効率的に観測できるようになります。
アクセルスペースの現在の株価
2026年9月4日の終値は522円でした。
同日の時価総額は約348億円、発行済株式数は約6,668万株です。
PBRは約4.99倍、予想配当利回りは0%となっています。(Yahoo!ファイナンス)
また、2026年の年初来高値は1,015円、年初来安値は413円となっており、株価の変動がかなり大きい銘柄であることも分かります。(Yahoo!ファイナンス)
100株購入するといくら?
株式の売買単位は100株です。
522円×100株=52,200円
したがって、2026年9月4日の株価を基準にすれば、約5万円からアクセルスペース株を購入できます。
ただし、実際には証券会社の売買手数料などが発生する場合があります。
株主優待はある?
アクセルスペースホールディングスには、現在、株主優待制度はありません。
これは公式サイトのFAQでも明記されています。(Axelspace Holdings)
そのため、
「100株保有するとQUOカードがもらえる」
「自社サービスが割引になる」
といった株主優待を目的に投資する銘柄ではありません。
株主優待を重視する投資家よりも、将来的な企業成長や株価上昇を期待する投資家向けの銘柄と考えたほうが分かりやすいでしょう。
配当金はある?
アクセルスペースホールディングスは、現在無配です。
2026年5月期の年間配当は0円で、2027年5月期についても会社予想は0円となっています。(Yahoo!ファイナンス)
つまり、100株保有していても、現時点では配当金によるインカムゲインは期待できません。
これはアクセルスペースのような成長企業では珍しいことではありません。
現在は利益を株主へ配当するよりも、衛星開発や研究開発、事業拡大などに資金を投入する段階にあるからです。
アクセルスペースの業績は?
ここは投資初心者が特に注意したいポイントです。
アクセルスペースは売上高が増えている一方で、まだ大幅な赤字企業です。
2026年5月期は、
- 売上高:約25.1億円
- 営業損失:約38.2億円
- 経常損失:約37.1億円
- 純損失:約40.6億円
となりました。(Yahoo!ファイナンス)
売上高だけを見ると、2025年5月期の約15.9億円から大きく増加しています。
しかし研究開発費などの先行投資が大きく、利益面ではまだ厳しい状況です。
2027年5月期は大幅な増収を予想
ここがアクセルスペースの大きな注目ポイントです。
会社は2027年5月期について、
売上高90億円
を予想しています。
2026年5月期の約25.1億円から、約3.6倍という非常に大きな増収予想です。
一方で、
- 営業損失:8億円
- 経常損失:1.5億円
- 純損失:2.4億円
と、まだ赤字予想です。(Yahoo!ファイナンス)
つまり、アクセルスペースは今すぐ利益を出す企業というより、
「売上規模を一気に拡大し、将来的な黒字化を目指している成長企業」
と考えると理解しやすいでしょう。
会社自身も、2027年5月期は増収と収益性改善を計画しているものの、現時点では具体的な黒字化時期を公表していないと説明しています。(note(ノート))
今後の成長ポイント①「GRUS-3」
アクセルスペースを語るうえで重要なのが「GRUS」です。
GRUSは地球観測衛星です。
2026年7月には、AxelGlobe事業で使用する「GRUS-3 A~G」の7機の打ち上げに成功しました。(Axelspace Holdings)
衛星の観測能力が高まれば、それだけ提供できるデータ量やサービスの幅が広がる可能性があります。
今後、GRUS-3を活用した商用サービスがどこまで成長するのかは、大きな注目ポイントです。
今後の成長ポイント② 防衛・安全保障
宇宙ビジネスの中でも、近年特に注目されているのが防衛・安全保障分野です。
人工衛星は、通信、位置情報、地球観測、災害対応など、さまざまな用途に利用されています。
アクセルスペースも防衛関連需要を成長分野の一つとして取り込もうとしています。
2027年5月期のAxelGlobe事業では、防衛省の衛星コンステレーション関連案件に加え、民間案件も含めた売上を計画しています。(note(ノート))
宇宙開発が「夢」だけではなく、国家安全保障やインフラに関係する重要産業になっている点は、アクセルスペースを見るうえで重要です。
今後の成長ポイント③ AIRBUSとの契約
2026年9月には、航空宇宙大手AIRBUSグループ傘下のAirbus Defence and Space社との販売代理店契約が発表されました。
アクセルスペースの地球観測衛星「GRUS」で撮影した中分解能光学衛星画像の販売拡大につながる可能性があります。(Yahoo!ファイナンス)
宇宙ビジネスでは、衛星を作る技術だけでなく、
「衛星データをどれだけ売れるか」
も非常に重要です。
海外企業との連携が今後どのように売上へつながっていくのかは、株主としてチェックしておきたいところです。
アクセルスペース株のメリット
ここまでを踏まえると、アクセルスペースには次のような魅力があります。
① 宇宙という成長市場に参入している
世界的に宇宙産業は拡大しており、人工衛星の利用範囲も広がっています。
② 小型衛星に強みがある
大型衛星と比較して、小型衛星を複数運用するビジネスモデルには大きな成長余地があります。
③ 売上高の急拡大が期待されている
2027年5月期の売上高は90億円予想で、前年から大幅な増収を目指しています。(Yahoo!ファイナンス)
④ 防衛・安全保障需要を取り込める可能性
政府関連案件や衛星コンステレーションなど、新たな需要が期待できます。
⑤ 約5万円から投資できる
2026年9月4日の株価522円なら、100株で約5.2万円です。
少額から購入できる点は初心者にも魅力です。
一方で注意したいリスク
もちろん、魅力だけで投資を判断するのは危険です。
最大のポイントは赤字が大きいことです。
2026年5月期は約40.6億円の純損失となっており、2027年5月期も純損失2.4億円を会社は予想しています。(Yahoo!ファイナンス)
また、宇宙関連事業には、
- ロケット打ち上げの失敗
- 衛星の故障
- 開発費の増加
- 開発スケジュールの遅延
- 資金調達による株式希薄化
- 競争激化
などのリスクがあります。
さらに、利益がまだ出ていないため、PERでは企業価値を判断しにくい銘柄です。
2026年9月4日時点でPBRは約4.99倍ですが、これは「株価が純資産に対して高いか低いか」を見る指標なので、これだけで割安・割高を判断するのも適切ではありません。(Yahoo!ファイナンス)
まとめ|アクセルスペースは「宇宙の成長力」に賭ける銘柄
アクセルスペースホールディングス(402A)は、単純な「人工衛星メーカー」ではありません。
小型衛星の設計・製造・運用から、地球観測データの提供まで、宇宙ビジネスを幅広く展開しています。
現在は、
「売上は成長しているものの、利益はまだ赤字」
という段階です。
そのため、配当金や株主優待を目的とする投資家には向いていません。
一方で、
「日本の宇宙産業の成長に期待したい」
「小型衛星ビジネスの将来性に期待している」
「将来的な黒字化による企業価値向上を狙いたい」
という投資家にとっては、非常に興味深い銘柄と言えるでしょう。
特に今後は、
①GRUS-3の商用展開 ②防衛・安全保障関連案件 ③AxelLiner事業の拡大 ④海外販売の拡大 ⑤売上90億円計画の達成度 ⑥赤字縮小から黒字化への進展
この6点をチェックしていくことが重要です。
宇宙関連株は夢が大きい一方、期待だけで株価が大きく動くこともあります。
アクセルスペースへの投資を検討するなら、「宇宙だから買う」のではなく、売上高が本当に伸びているのか、赤字が縮小しているのか、衛星事業が収益につながっているのかを決算ごとに確認することが大切です。
今後、宇宙産業がさらに成長したとき、アクセルスペースがその波をどこまで取り込めるのか。
402Aは、長期的な成長を期待する投資家にとって、今後も注目しておきたい宇宙関連株の一つです。
※本記事は投資判断を推奨するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがあります。株価・業績・配当などの情報は執筆時点の公開情報をもとにしており、投資前には最新のIR資料や証券会社の情報をご確認ください。
