「建設技術研究所って、どんな会社?」
「建設会社なの?」
「配当金や株主優待はある?」
そんな疑問を持っている方に向けて、今回は建設技術研究所(9621)を初心者にも分かりやすく徹底解説します。
建設技術研究所は、道路や河川、ダム、橋、都市計画、防災など、私たちの生活を支える社会インフラについて調査・計画・設計などを行う総合建設コンサルタントです。
一般的な「建設会社」とは少し違い、実際に建物や道路を施工するというよりも、その前段階となる「どのように造るのか」「どう維持するのか」を技術面から支える会社と考えると分かりやすいでしょう。
そして2026年には業績が好調に推移し、年間配当予想を1株110円へ大幅増額。株主還元にも注目が集まっています。
建設技術研究所(9621)の基本情報
まずは会社の基本情報を確認してみましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社建設技術研究所 |
| 証券コード | 9621 |
| 上場市場 | 東証プライム |
| 業種 | サービス業 |
| 設立 | 1963年4月 |
| 創業 | 1945年8月 |
| 本社 | 東京都中央区 |
| 資本金 | 約30.3億円 |
| 決算期 | 12月 |
| 単元株数 | 100株 |
| 主な事業 | 建設コンサルティング |
| 株主優待 | なし |
| 2026年年間配当予想 | 1株110円 |
会社の設立は1963年ですが、前身までさかのぼると1945年創業。
長い歴史を持つ建設コンサルタント会社です。
2026年4月1日時点の従業員数は2,410人で、東京証券取引所プライム市場に上場しています。事業内容は、土木建設事業に関する企画、調査、計画、設計、事業監理などです。(CTIエンターテインメント)
建設技術研究所は「建設会社」ではない?
建設技術研究所を理解するうえで重要なのが、一般的なゼネコンとの違いです。
例えば大手ゼネコンの場合、
「道路を造る」
「橋を建設する」
「ビルを施工する」
といった工事そのものが中心になります。
一方、建設技術研究所は、
「どこに道路を造るべきか」
「河川が氾濫したらどうなるか」
「橋をどのような構造にするか」
「災害に強い街をどう作るか」
「老朽化したインフラをどう維持するか」
といった、社会インフラの計画・設計・調査・技術支援を行います。
つまり、建設工事の「前段階」や「維持管理」を支える会社です。
同社は河川・砂防、道路、港湾・空港、上下水道、都市計画、地質、トンネル、環境など、非常に幅広い分野のコンサルティングを手掛けています。(CTIエンターテインメント)
建設技術研究所は何で稼いでいる?
建設技術研究所の事業は、大きく見ると国内建設コンサルティングと海外建設コンサルティングが中心です。
① 国内建設コンサルティング
国内では、国や地方自治体などが進める社会インフラ整備に関する仕事を手掛けています。
代表的なのが、
・河川
・ダム
・道路
・橋梁
・防災・減災
・都市計画
・環境
・上下水道
・港湾
・インフラ維持管理
などです。
特に日本では、道路・橋・トンネル・水道などの社会インフラ老朽化が大きな課題となっています。
新しく造るだけではなく、「既存インフラをどう維持するか」という需要が今後も期待できる点は、建設技術研究所を見るうえで重要なポイントです。
② 海外建設コンサルティング
海外でもインフラ整備に関するコンサルティングを行っています。
海外の道路、交通、都市開発、水資源などのプロジェクトに関わり、計画から設計、施工管理、維持管理まで幅広く支援しています。
国内だけに依存せず、海外市場にも事業を広げていることは、長期的な成長を考えるうえで注目したいポイントでしょう。
建設技術研究所が注目される理由
建設技術研究所に注目したい理由の一つが、日本の防災・減災や国土強靱化との相性の良さです。
日本は地震、台風、大雨、洪水、土砂災害など自然災害の多い国です。
そのため、
「災害に強いインフラを作る」
「河川の氾濫を防ぐ」
「老朽化した橋や道路を維持する」
「大規模災害に備える」
といった公共投資は非常に重要になります。
建設技術研究所は、こうした社会課題に対して技術力を提供する企業です。
つまり、単純な「建設需要」だけではなく、
防災・減災+インフラ老朽化+国土強靱化
という複数のテーマから恩恵を受ける可能性があります。
2026年の業績は好調
建設技術研究所の2026年12月期中間決算は、かなり良い内容となっています。
2026年12月期中間期の売上高は550億円で、前年同期比8.3%増。
営業利益は66億円で10.7%増。
親会社株主に帰属する中間純利益は44億円で17.1%増となりました。(Yahoo!ファイナンス)
つまり、
売上が増えて、利益はさらに大きく増えている
という状況です。
しかも中間期時点で、通期予想に対する経常利益の進捗率は約63.8%、最終利益は約63.3%に達しています。(Yahoo!ファイナンス)
もちろん、建設コンサルタント業界は案件の進捗によって業績が変動するため、単純に「今後も必ず増益」と考えるのは危険です。
しかし、2026年上期の数字を見る限り、業績は順調に推移しているといえそうです。
建設技術研究所の現在の株価
2026年9月1日時点では、建設技術研究所の株価は3,195円前後で推移しています。
9月1日の市場では、始値3,205円、高値3,240円、安値3,185円となっています。前日終値は3,235円でした。(Yahoo!ファイナンス)
参考指標を見ると、
・株価:約3,195円
・時価総額:約905億円
・PER:約12~13倍
・PBR:約1.3倍
・予想配当:110円
・予想配当利回り:約3.4%
・単元株数:100株
となっています。(Yahoo!ファイナンス)
株価は日々変動するため、実際に購入するときには最新の株価を確認してください。
100株買うにはいくら必要?
建設技術研究所は100株単位で購入できます。
株価を3,195円とすると、
3,195円 × 100株=319,500円
となります。
つまり、おおよそ32万円程度から購入できる銘柄です。
ただし、実際には株価の変動に加えて証券会社の手数料なども考える必要があります。
建設技術研究所の株主優待はある?
ここは初心者の方が気になるポイントですね。
結論からいうと、
建設技術研究所には現在、株主優待制度はありません。
2026年9月時点でも株主優待情報は掲載されていません。(Yahoo!ファイナンス)
そのため、
「株を100株持っていれば商品券がもらえる」
「QUOカードがもらえる」
といった優待を目的に投資する銘柄ではありません。
建設技術研究所に投資する場合は、基本的に株価の値上がり+配当金を狙う銘柄と考えると分かりやすいでしょう。
建設技術研究所の配当金は?
建設技術研究所の大きな注目ポイントが、2026年の増配です。
2025年12月期の年間配当は75円でした。
それに対して、2026年12月期は当初78円が予想されていましたが、2026年7月30日に110円へ大幅増額修正されました。(株探)
つまり、
75円 → 110円
です。
増加額は35円。
率にすると約46.7%の増配になります。
さらに同社は、中期経営計画2027において配当性向30%以上を目安とする株主還元方針を掲げています。(株探)
これは配当を重視する投資家にとって注目したいポイントです。
100株保有すると配当はいくら?
2026年の年間配当予想110円を前提に計算してみましょう。
100株の場合、
110円 × 100株=11,000円
となります。
したがって、約32万円で100株を購入した場合、年間11,000円の配当金が期待できます。
税引前の金額なので、実際の受取額は税金によって少なくなります。
また、NISA口座で一定の条件を満たして保有すれば、配当金についても非課税となる場合があります。
300株なら配当はいくら?
さらに300株保有した場合を計算してみましょう。
110円 × 300株
=33,000円
年間33,000円です。
500株なら、
110円 × 500株
=55,000円
1,000株なら、
110円 × 1,000株
=110,000円
となります。
このように、株主優待はありませんが、配当金による株主還元を期待できる銘柄です。
配当利回りは約3.4%
株価を3,195円、年間配当110円として計算すると、
110円 ÷ 3,195円 × 100
=約3.44%
となります。
実際の市場データでも予想配当利回りは約3.4%とされています。(Yahoo!ファイナンス)
もちろん株価が上がれば利回りは低下し、株価が下がれば利回りは上昇します。
そのため、配当利回りだけを見て「高い・安い」と判断するのではなく、業績や配当性向などと合わせて考えることが重要です。
建設技術研究所の強み
建設技術研究所の最大の魅力は、長年培ってきた技術力と専門性でしょう。
同社は1945年創業で、日本で最初の建設コンサルタント会社を前身としています。
戦後復興、高度経済成長、環境問題、震災復興、国土強靱化など、日本社会が抱えてきた課題に技術で対応してきた歴史があります。(日本取引所グループ)
特に河川・防災分野などに強みを持つ点は、自然災害の多い日本において大きな意味を持ちます。
建設技術研究所の今後の成長ポイント
今後の成長を考えるうえでは、次のポイントに注目したいところです。
① 国土強靱化
地震や豪雨などへの防災対策は、日本にとって長期的なテーマです。
防災・減災関連の公共投資が続けば、同社の事業機会にもつながる可能性があります。
② インフラ老朽化
日本では高度経済成長期に整備された道路、橋梁、トンネルなどの老朽化が進んでいます。
これからは「新しく造る」だけでなく、「点検する・補修する・維持する」需要が重要になります。
③ 人手不足
国や地方自治体などでは技術職員の不足も課題となっています。
専門的な技術を持つ建設コンサルタントへの外部委託需要が高まれば、同社にとって追い風になる可能性があります。
④ 海外展開
海外インフラ市場への展開も中長期的な成長材料です。
国内公共事業だけに依存しない事業ポートフォリオを構築できるかが、今後のポイントになりそうです。
一方で注意したいリスク
魅力的な部分だけではなく、リスクも確認しておきましょう。
まず、建設技術研究所は公共事業との関係が深い会社です。
そのため、政府や自治体の公共投資政策、予算、案件の発注状況などの影響を受ける可能性があります。
また、建設コンサルタントは「人」が重要なビジネスです。
優秀な技術者を確保できるかどうかは、今後の成長にとって非常に重要です。
海外事業についても、為替や各国の政策、政治・経済情勢などの影響を受ける可能性があります。
そして何より、配当110円はあくまで2026年12月期の会社予想です。
将来も同じ配当が保証されているわけではありません。
建設技術研究所はこんな人に向いている?
建設技術研究所は、次のような投資家が注目しやすい銘柄でしょう。
✔ 配当金を受け取りながら長期保有したい人
2026年の年間配当予想は110円。
配当利回りも約3.4%と、一定のインカムゲインを期待できます。
✔ 防災・国土強靱化関連株に興味がある人
日本の防災・減災やインフラ老朽化対策は、長期的な社会課題です。
✔ 株主優待より配当を重視する人
株主優待はありません。
そのため「優待+配当」ではなく、配当と株価成長を中心に考える銘柄です。
✔ 安定した社会インフラ関連企業に投資したい人
道路、河川、橋、上下水道など、人々の生活に欠かせないインフラを支える企業です。
まとめ:建設技術研究所は「社会インフラ×防災×高配当」が魅力
今回は、建設技術研究所(9621)について詳しく紹介しました。
最後にポイントを整理します。
建設技術研究所の注目ポイント
・東証プライム上場企業
・1945年創業の歴史ある建設コンサルタント
・道路、河川、ダム、橋梁、防災など幅広い分野で活躍
・国内だけでなく海外でも事業を展開
・インフラ老朽化対策が長期的なテーマ
・国土強靱化・防災関連の需要が期待される
・2026年12月期中間期は増収増益
・2026年年間配当予想は110円
・前年の75円から大幅増配
・予想配当利回りは約3.4%
・株主優待はなし
・100株なら約32万円前後から購入可能
特に2026年は、年間配当予想が110円へ増額されたことが大きなニュースです。
2026年12月期中間期も増収増益となっており、業績と株主還元の両方をチェックしたい銘柄といえるでしょう。(Yahoo!ファイナンス)
一方で、株式投資には株価下落リスクがあります。
「配当利回りが高いから買う」のではなく、
業績 → 配当 → 株価 → 将来性 → リスク
という順番で総合的に判断することが大切です。
建設技術研究所は、派手な消費関連企業ではありません。
しかし、私たちが普段何気なく利用している道路、橋、河川、上下水道などの社会インフラを技術面から支えている企業です。
「日本のインフラを支える会社に長期投資したい」
「防災・国土強靱化関連株を探している」
「株主優待より配当金を重視したい」
という人にとって、今後もチェックしておきたい銘柄の一つといえるでしょう。
