「東亜建設工業ってどんな会社?」
「建設株として投資する魅力はある?」
「配当金はいくらもらえる?株主優待はある?」
このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
東亜建設工業は、証券コード「1885」で東京証券取引所プライム市場に上場している建設会社です。
一般的な住宅やビルを建設する会社というイメージを持つかもしれませんが、東亜建設工業の大きな特徴は海洋土木に強いことです。
港湾、空港、埋立、浚渫、護岸、地盤改良など、普段の生活ではあまり目にすることのない巨大なインフラ工事を数多く手掛けています。
今回は、東亜建設工業の基本情報から株価、配当金、株主優待、業績、今後の成長性、投資する際の注意点まで詳しく解説します。
東亜建設工業(1885)の基本情報
まずは会社の基本情報を確認してみましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 東亜建設工業株式会社 |
| 証券コード | 1885 |
| 市場 | 東証プライム |
| 業種 | 建設業 |
| 主な事業 | 土木・建築・海外事業など |
| 大きな強み | 海洋土木・港湾工事 |
| 創業 | 1908年 |
| 株式単元 | 100株 |
| 株主優待 | なし |
| 2026年9月8日株価 | 2,104円 |
| 予想年間配当 | 100円 |
| 配当利回り | 約4.75% |
東亜建設工業は1908年創業という非常に長い歴史を持つ企業です。
前身となる事業では、東京湾の埋立などに携わっており、現在につながる「海をつくる・港をつくる」という技術が会社のルーツになっています。公式の沿革によると、1913年には鶴見・川崎臨海工業地帯の造成に着手しています。
つまり、東亜建設工業は100年以上にわたって日本の港湾・臨海部の発展に関わってきた企業なのです。
東亜建設工業は何をしている会社?
東亜建設工業を理解するうえで重要なのが「海洋土木」です。
例えば、
- 港湾の建設
- 防波堤の建設
- 岸壁の整備
- 空港関連工事
- 海底の浚渫
- 埋立工事
- 地盤改良
- 災害復旧
- 道路・橋梁
- 大型物流施設
- 医療・福祉施設
など、非常に幅広い工事を行っています。
特に注目したいのが港湾・空港などの大型インフラです。
日本は島国なので、海外との貿易を行うためには港湾施設が欠かせません。
また、台風や地震などの自然災害が多い日本では、防災・減災のためのインフラ整備も重要です。
こうした社会インフラを支える企業として、東亜建設工業には独自の強みがあります。
東亜建設工業の株価は?
2026年9月8日の終値は2,104円でした。
同日のデータでは、
- PER:約8.47倍
- PBR:約1.40倍
- 時価総額:約1,881億円
- 年初来高値:4,680円
- 年初来安値:1,931円
となっています。
(楽天証券)
ここで初心者が注目したいのがPERです。
PERとは「株価が1株当たり利益の何倍まで買われているか」を示す指標です。
東亜建設工業のPERは約8倍台となっており、一般的な成長株と比較すると低めの水準です。
もちろんPERだけで「割安」と判断することはできませんが、利益水準に対して株価が大きく割高になっている銘柄ではないことが分かります。
一方で、2026年には株価が一時4,680円まで上昇しており、その後大きく調整しています。
そのため、現在の株価だけを見るのではなく、「なぜここまで株価が変動したのか」を考えることが重要です。
配当金は年間100円を予定
東亜建設工業の大きな魅力の一つが配当金です。
2026年3月期の年間配当は100円となりました。
2026年3月期は中間配当38円、期末配当62円で、年間100円です。
(Yahoo!ファイナンス)
2026年9月8日の株価2,104円を基準にすると、
100円 ÷ 2,104円 × 100 ≒ 4.75%
となります。
つまり、現在の株価水準で年間100円の配当が続くと仮定すれば、配当利回りは約4.75%です。
これは高配当株としても十分注目できる水準でしょう。
過去の配当金を見ると大幅に増加
東亜建設工業の配当金を過去から確認すると、近年の増配が目立ちます。
| 年度 | 年間配当 |
|---|---|
| 2020年3月期 | 12.5円 |
| 2021年3月期 | 20円 |
| 2022年3月期 | 22.5円 |
| 2023年3月期 | 22.5円 |
| 2024年3月期 | 40円 |
| 2025年3月期 | 76円 |
| 2026年3月期 | 100円 |
特に2023年3月期の22.5円から2026年3月期の100円まで増えている点は非常に印象的です。
もちろん、過去に増配したからといって今後も同じペースで増配するとは限りません。
しかし、株主還元を重視する投資家にとっては、近年の配当成長は魅力的なポイントです。
株主優待はある?
東亜建設工業には、現在、株主優待制度はありません。
Yahoo!ファイナンスや楽天証券の情報でも株主優待は「なし」とされています。
(Yahoo!ファイナンス)
そのため、東亜建設工業への投資では、
「株主優待を楽しむ」というより「配当金と株価上昇を狙う」
という考え方が基本になります。
例えば100株を保有すると、2026年3月期の年間配当100円を基準にすれば、
100株 × 100円 = 年間10,000円
の配当金です。
200株なら20,000円、500株なら50,000円、1,000株なら100,000円です。
※税引前の金額です。
100株買うといくら必要?
2026年9月8日の株価2,104円で計算すると、100株購入する場合の投資金額は、
2,104円 × 100株 = 210,400円
です。
約21万円で100株を購入できます。
年間配当を100円と仮定すると、
年間配当:10,000円
となります。
単純計算では、
10,000円 ÷ 210,400円 ≒ 4.75%
です。
もちろん実際には税金や株価変動がありますので、必ず4.75%の利益が得られるわけではありません。
業績もチェックしておきたい
東亜建設工業は近年、業績を伸ばしてきました。
2026年3月期は、
- 売上高:約3,587億円
- 営業利益:約242億円
- 経常利益:約246億円
- 親会社株主に帰属する当期純利益:約194億円
となっています。
前期と比較すると、売上高は8.5%増、営業利益は17.3%増、経常利益は22.6%増、最終利益は29.9%増となりました。
(トーア建設株式会社)
利益が大きく伸びていることは、配当を考えるうえでも重要です。
配当金は会社が稼いだ利益から支払われるため、利益が安定して増えていけば、将来的な増配余地も生まれます。
2027年3月期はどうなっている?
直近の2027年3月期第1四半期では、売上高は前年同期比8.7%減となった一方、経常利益は3.8%増、最終利益は6.7%増となりました。
(Yahoo!ファイナンス)
つまり、売上が減少しているものの、利益面では増益を確保しています。
建設会社の場合、工事の進捗状況などによって四半期ごとの売上高が変動することがあります。
そのため、1四半期だけを見て判断するのではなく、受注環境や完成工事高、利益率、通期計画などを合わせて確認することが重要です。
東亜建設工業の今後の成長戦略
東亜建設工業は2026年3月に「中期経営計画〈2026-2028〉」を策定しました。
この中期計画では、長期ビジョン「TOA2035」の実現に向け、2035年度に売上高5,000億円、営業利益300億円を目標としています。
(トーア建設株式会社)
現在の売上規模からさらに事業を拡大していく計画です。
また、2026~2028年度の3年間で500億円の投資計画を掲げています。
さらに、株主還元については配当性向40%以上を掲げ、安定的な配当を確保するとしています。
(トーア建設株式会社)
これは配当を重視する投資家にとって非常に重要なポイントです。
海外事業にも注目
東亜建設工業は国内だけでなく海外にも事業を展開しています。
例えば2026年にはフィリピンで現地法人「R2TOA CORPORATION」を設立しました。
同社はフィリピンで発電所、埋立、道路、橋梁、港湾、洪水対策などの工事実績を積み重ねており、今後は日系企業や現地企業の民間工事、公共事業などへの参画を目指しています。
(トーア建設株式会社)
日本国内の建設需要だけに依存せず、海外市場を取り込もうとしている点は、今後の成長を考えるうえで注目ポイントです。
東亜建設工業の強み
東亜建設工業の強みを簡単にまとめると、次の5つです。
① 海洋土木の高い技術力
港湾や空港、埋立など、参入障壁の高い分野に強みがあります。
② 長い歴史と実績
1908年創業で、100年以上にわたり社会インフラを支えてきました。
③ 防災・減災需要
地震や台風などの自然災害が多い日本では、インフラの強靭化が重要です。
④ 高い株主還元
2026年3月期の年間配当は100円で、現在の株価水準では約4.75%の配当利回りです。
⑤ 海外事業の拡大
フィリピンなど海外での事業拡大も進めています。
一方で注意したいリスク
魅力的な部分だけではなく、リスクも確認しておきましょう。
まず建設業界は、資材価格、人件費、金利などの影響を受けます。
工事を受注しても、資材費や人件費が想定以上に上昇すれば利益率が低下する可能性があります。
また、建設工事では施工上の問題や事故などが企業業績や信用に影響する可能性があります。
東亜建設工業についても、地盤改良工事の施工不良問題を踏まえた再発防止策を進めています。会社は2026年8月31日にも進捗状況を公表しています。
(トーア建設株式会社)
さらに2026年4月には施工中の工事で重大事故が発生したことについて、会社が再発防止策を進めています。
(トーア建設株式会社)
投資する場合は、こうしたリスクについても必ず確認しておきたいところです。
東亜建設工業はどんな人に向いている?
東亜建設工業は、
「株主優待よりも配当金を重視したい人」
「建設・インフラ関連株に投資したい人」
「海洋土木という専門分野に強い会社へ投資したい人」
「中長期的な増配や企業成長を期待したい人」
に向いている銘柄だと考えられます。
一方で、株主優待を楽しみたい人には向いていません。
また、建設株なので景気や公共投資、資材価格、工事採算などの影響を受けます。
まとめ|東亜建設工業は「海洋土木×高配当」が魅力
東亜建設工業(1885)は、海洋土木を大きな武器としている建設会社です。
2026年9月8日の株価は2,104円。
年間配当は100円で、現在の株価を基準にすると配当利回りは約4.75%です。
一方、株主優待はありません。
そのため、東亜建設工業は「優待株」というよりも、配当金と企業成長の両方を狙うタイプの銘柄と考えると分かりやすいでしょう。
さらに、2026年からの中期経営計画では、配当性向40%以上を掲げています。
2035年度には売上高5,000億円、営業利益300億円という長期目標も掲げており、今後どこまで企業規模を拡大できるのか注目です。
(トーア建設株式会社)
特に東亜建設工業は、港湾・空港・防災・国土強靭化といった、日本の社会インフラに欠かせない分野を得意としています。
「目立たないけれど、社会にとって必要不可欠な会社」に長期投資したい人にとって、チェックしておきたい銘柄の一つと言えるでしょう。
ただし、株価は日々変動し、配当金も将来にわたって保証されているものではありません。
実際に投資する際には、最新の決算、受注状況、配当方針、株価水準などを確認したうえで判断することが大切です。
※本記事の株価・配当利回りなどは2026年9月8日時点の情報をもとにしています。投資判断は最新情報をご確認のうえ、ご自身の判断で行ってください。
