「宇宙関連株に投資してみたい」
そんな人から注目を集めている銘柄の一つが、QPSホールディングス(464A)です。
QPSホールディングスは、小型SAR衛星を開発・製造し、衛星から取得した画像データを販売する宇宙関連企業です。
特に、防衛・防災・インフラ管理などに利用できる衛星データへの需要拡大が期待されており、将来的な成長力に注目が集まっています。
一方で、現在は衛星の製造・打ち上げなどに大きな先行投資が必要な段階でもあります。
この記事では、QPSホールディングスについて、
- どんな会社なのか
- 何で利益を上げるのか
- 現在の株価
- 業績
- 配当金
- 株主優待
- 今後の成長戦略
- 投資する際の注意点
まで、株初心者にも分かりやすく解説します。
QPSホールディングスとは?
QPSホールディングスは、福岡県を拠点とする宇宙関連企業です。
2025年12月1日に、株式会社QPS研究所を完全子会社とする持株会社として設立され、東京証券取引所グロース市場へ上場しました。
証券コードは464Aです。(日本取引所グループ)
会社の事業内容を簡単に説明すると、
「人工衛星を作る → 宇宙へ打ち上げる → 地球を観測する → 画像データを販売する」
というビジネスです。
QPSホールディングスの公式サイトでも、この4段階を同社のビジネスモデルとして説明しています。(株式会社QPSホールディングス)
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | QPSホールディングス |
| 証券コード | 464A |
| 上場市場 | 東証グロース |
| 設立 | 2025年12月 |
| 本社 | 福岡県福岡市 |
| 代表取締役CEO | 大西俊輔氏 |
| 子会社 | QPS研究所 |
| 決算期 | 5月31日 |
| 発行済株式数 | 55,860,500株※ |
| 単元株 | 100株 |
※2026年5月31日時点。(株式会社QPSホールディングス)
QPSホールディングスの最大の特徴「SAR衛星」
QPSホールディングスを理解するために欠かせないのが、SAR衛星です。
SARとは「Synthetic Aperture Radar」の略で、日本語では「合成開口レーダー」と呼ばれます。
一般的な人工衛星による観測は、太陽光を利用して地上を撮影します。
そのため、夜間や雲が多い状況では観測しにくいという弱点があります。
一方、SAR衛星は電波を利用して地表を観測するため、昼夜を問わず、さらに天候の影響を受けにくい観測が可能です。
これは、防災や安全保障の分野で非常に重要な特徴です。
例えば、
- 台風や大雨による災害状況の把握
- 地震による地盤変動の確認
- 災害発生後の被害状況調査
- 道路や橋などインフラの監視
- 農地の状況把握
- 海上監視
- 防衛・安全保障
など、さまざまな用途が考えられます。
QPS研究所は、このSAR衛星を小型化・低コスト化しながら高性能化することを目指してきました。
同社によれば、QPS-SARは従来のSAR衛星と比較して、質量約20分の1、コスト約100分の1を実現したとしています。(株式会社QPSホールディングス)
QPSホールディングスは「衛星を売る会社」ではない
初心者が勘違いしやすいポイントがあります。
QPSホールディングスは、単純に人工衛星を作って販売する会社ではありません。
重要なのは、衛星から取得したデータを販売することです。
イメージすると、
「衛星を作る」
↓
「打ち上げる」
↓
「地球を撮影する」
↓
「画像データを企業や政府などへ販売する」
という流れです。
つまり、衛星の数が増えて観測能力が高まれば、取得できる画像データも増やせます。
そして、そのデータを販売することで売上を拡大していくビジネスモデルです。(株式会社QPSホールディングス)
現在の株価はいくら?
2026年9月4日のQPSホールディングス株の終値は、
1,716円
でした。
100株単位で購入する場合、最低購入金額は単純計算で、
1,716円 × 100株 = 171,600円
となります。
なお、株価は日々変動するため、実際の購入価格はその時点の株価によって変わります。
2026年9月4日時点では、時価総額は約959億円、予想PERは約50.4倍、PBRは約3.02倍となっています。(Yahoo!ファイナンス)
PERだけを見ると、一般的な割安株とは言いにくい水準です。
しかしQPSホールディングスは、現在の利益だけを見る銘柄というより、将来の宇宙ビジネスの成長を期待して評価されている銘柄と考えたほうが分かりやすいでしょう。
QPSホールディングスの業績
ここは初心者が特に注意したいところです。
2026年5月期の実績は、
- 売上高:約38億300万円
- 営業損失:約8億3,300万円
- 経常利益:約11億6,600万円
- 純利益:約11億5,200万円
でした。(Yahoo!ファイナンス)
「営業利益が赤字なのに、なぜ経常利益や純利益が黒字なの?」
と思うかもしれません。
その理由の一つが、補助金などの営業外収益です。
衛星事業では、衛星の製造・打ち上げ・運用に大きな費用がかかります。
2026年5月期は衛星の運用機数が増えたことで、減価償却費や通信費などが増加し、営業損失となりました。
一方、宇宙戦略基金などによる補助金収入などが営業外収益として利益を押し上げています。(Yahoo!ファイナンス)
つまり、
「本業がまだ大きく儲かっている会社ではない」
という点は理解しておく必要があります。
2027年5月期は大幅増収を計画
QPSホールディングスが今後の成長材料として掲げているのが、2027年5月期の業績拡大です。
会社予想は、
- 売上高:100億円
- 営業利益:3億円
- 経常利益:20億円
- 純利益:19億円
となっています。(Yahoo!ファイナンス)
売上高は前期の約38億円から100億円へ大幅増加する計画です。
特に大きいのが、防衛省の衛星コンステレーション関連事業です。
2027年5月期には、防衛省関連事業による売上が70億円以上になる見込みとされています。(Yahoo!ファイナンス)
これはQPSホールディングスの今後を考えるうえで非常に重要なポイントです。
衛星コンステレーションとは?
「コンステレーション」という言葉も初心者には少し難しいかもしれません。
簡単に言えば、
「複数の人工衛星を連携させて、一つの大きな衛星システムのように運用する仕組み」
です。
1機だけでは、地球上の同じ場所を頻繁に観測することは難しいでしょう。
しかし、衛星を10機、20機、30機と増やしていけば、より短い間隔で地球を観測できるようになります。
QPSホールディングスは、将来的に36機の衛星コンステレーション構築を目指しています。
2027年5月期には7機を打ち上げ、期末時点で16機の運用を目指す計画です。(SPACE CONNECT)
QPSホールディングスの配当金は?
配当金を目的に株を購入する人も多いですが、QPSホールディングスは現在、配当を実施していません。
2026年5月期の年間配当は0円。
そして2027年5月期についても、年間配当は0円予想です。(Yahoo!ファイナンス)
そのため、現時点では、
「配当金をもらいながら長期保有する高配当株」
というタイプではありません。
むしろ、利益を配当に回すよりも、衛星の製造・打ち上げ・研究開発などへ資金を投入して、事業を成長させる段階にあると考えたほうがいいでしょう。
株主優待はある?
QPSホールディングスには、2026年9月5日時点で株主優待制度はありません。
Yahoo!ファイナンスでも株主優待情報は掲載されていません。(Yahoo!ファイナンス)
したがって、
配当金:なし 株主優待:なし
というのが現在の株主還元状況です。
株主優待や配当を楽しみたい人よりも、将来的な企業成長を期待して投資する人向けの銘柄と言えるでしょう。
QPSホールディングスの魅力① 宇宙ビジネスの成長
最大の魅力は、やはり宇宙ビジネスそのものです。
世界的に宇宙産業への注目が高まっており、衛星データの利用範囲も広がっています。
特に、
「災害」
「防衛」
「インフラ監視」
「地球環境」
などは、今後も衛星データの需要が期待される分野です。
QPSホールディングスが36機規模の衛星コンステレーションを構築できれば、現在よりも観測能力が大きく向上する可能性があります。
QPSホールディングスの魅力② 防衛需要
もう一つの大きなポイントが防衛分野です。
近年、日本でも衛星を活用した情報収集・監視能力の重要性が高まっています。
QPSホールディングスは防衛省の衛星コンステレーション関連事業に関わっており、今後の売上拡大を支える重要な案件となっています。(株式会社QPSホールディングス)
民間企業だけではなく、政府・官公庁向けの需要が拡大することは、宇宙ベンチャーにとって大きな成長材料になります。
QPSホールディングスの魅力③ 衛星の打ち上げが進んでいる
2026年にはQPS-SARの打ち上げも進んでいます。
2026年8月には18号機「スサノオ-Ⅱ」が打ち上げられ、初交信にも成功。
さらに9月1日には13号機「ミクラ-Ⅰ」の初画像も公開されています。(株式会社QPSホールディングス)
衛星を作るだけでは事業になりません。
「実際に打ち上げる」
「宇宙で正常に運用する」
「画像を取得する」
「データを販売する」
ところまで進める必要があります。
この実績が積み重なっていることは、今後の成長を考えるうえで注目したいポイントです。
QPSホールディングスの注意点① 株価の値動きが大きい
QPSホールディングス株で最も注意したいのが、株価の変動です。
宇宙関連株というテーマ性が強いため、
「衛星打ち上げ成功」
「大型契約」
「防衛関連」
「新しい資金調達」
「決算」
などのニュースによって株価が大きく動く可能性があります。
実際、2026年の株価は年初来高値4,485円に対し、年初来安値は1,351円となっており、かなり大きな値幅があります。(Yahoo!ファイナンス)
初心者の場合、一度に大きな金額を投資するより、株価の変動を理解したうえで慎重に投資したい銘柄です。
注意点② 先行投資による赤字
QPSホールディングスは、まだ成長投資の段階です。
衛星を増やすためには、
- 衛星製造費
- 打ち上げ費用
- 通信費
- 人件費
- 研究開発費
- 地上設備費
など、多くのお金が必要になります。
2026年5月期も、減価償却費や通信費の増加などによって営業損失を計上しました。(ログミーファイナンス)
そのため、
「売上が伸びている=すぐに大きな営業利益が出る」
とは限りません。
今後、衛星数の増加によって売上がどれだけ増え、最終的に利益率を改善できるのかが重要になります。
注意点③ 資金調達・株式希薄化
宇宙ビジネスは非常に大きな資金が必要です。
QPSホールディングスも、これまで第三者割当による新株発行などを実施しています。
2026年3月には、スカパーJSAT、ミツウロコグループホールディングス、三井住友海上火災保険を割当先とする第三者割当増資を発表しました。(株式会社QPSホールディングス)
増資によって事業成長に必要な資金を確保できる一方、株式数が増えれば、既存株主の持分が薄まる「希薄化」が起こる可能性があります。
QPSホールディングスへ投資する場合は、売上や利益だけでなく、今後どのように資金を調達するのかにも注目しましょう。
QPSホールディングスはどんな人に向いている?
QPSホールディングスは、すべての投資家に向いている銘柄ではありません。
特に向いているのは、
①宇宙産業の成長に期待している人
「将来的に宇宙ビジネスが大きく成長する」と考えている人には面白い銘柄です。
②成長株に投資したい人
現在の配当金よりも、企業の売上・利益・企業価値の成長を重視する人向けです。
③値動きの大きさを許容できる人
株価が大きく上昇する可能性がある一方、下落幅も大きくなる可能性があります。
逆に向いていない人は?
反対に、
「毎年安定した配当金が欲しい」
「株主優待を楽しみたい」
「株価の値動きが小さい会社がいい」
「低PER・低PBRの割安株を買いたい」
という人には、QPSホールディングスは必ずしも向いていません。
配当金は0円予想、株主優待もありません。
つまり、QPSホールディングスは、
「今の利益を買う株」というより、「将来の成長を買う株」
と考えると分かりやすいでしょう。
まとめ|QPSホールディングスは「日本の宇宙産業」を支える成長株
QPSホールディングス(464A)は、小型SAR衛星を活用した地球観測データ事業を展開する宇宙関連企業です。
2026年9月4日の終値は1,716円。
100株なら約17万円から投資できます。
一方で、配当金は現在0円予想、株主優待もありません。(Yahoo!ファイナンス)
それでも注目される理由は、今後の大きな成長可能性です。
2027年5月期は、
売上高100億円
営業利益3億円
経常利益20億円
純利益19億円
を計画しています。(Yahoo!ファイナンス)
さらに、36機の衛星コンステレーション構築を目指しており、防衛・防災・インフラ監視など、衛星データの活用範囲が広がれば、長期的な成長余地も期待できます。
ただし、宇宙ビジネスは巨額の設備投資が必要であり、衛星の打ち上げ失敗、開発遅延、資金調達、株式希薄化、株価の大幅変動などのリスクもあります。
したがって、QPSホールディングスへの投資を考える場合は、
「宇宙だから上がる」と考えるのではなく、衛星の運用数、画像データの売上、防衛関連案件、営業利益、キャッシュフロー、資金調達を継続的に確認する
ことが重要です。
日本の宇宙産業がこれからどこまで成長するのか。
そしてQPSホールディングスが36機の衛星コンステレーションを実現し、宇宙から得られるデータを社会インフラとして定着させられるのか。
今後の成長をじっくり見守りたい、非常に特徴のあるグロース株と言えるでしょう。
※本記事は投資判断を勧誘するものではありません。株価・業績・配当・株主優待などの情報は変更される場合があります。投資を行う際は、最新のIR資料や決算短信などを確認し、ご自身の判断で行ってください。
